従業員に持たせる
スマートフォンがないとき
従業員が外出先で業務用アプリにアクセスするためには、スマートフォンを使う必要が出てくるかもしれません。しかし、企業が所有するスマートフォンが従業員に配布するほどない場合には、どうしたら良いでしょうか。もちろん新たに購入することもできますが、従業員が個人的に所有している端末を、セキュリティに配慮した上で業務用にも活用してもらうBYOD(Bring Your Own Device)も選択肢になります。
通信料金については、通信会社などが提供する公私分計サービスを活用すると、同じスマートフォンを、私用で使った場合と、業務用で使った場合とで分けて料金が請求されるようになります。その他費用についても、従業員の負担増にならないように留意しましょう。
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テレワーク制度(その他の課題)
- ・在宅勤務時の光熱費の負担
- ・在宅勤務時の労働環境整備
- ・テレワークできない業務の従業員の不公平感
在宅勤務時の光熱費の負担
テレワークの利用頻度が高くなると、在宅勤務時の光熱費などコストも増加し、その費用を従業員と企業のどちらが負担するのかという課題も出てきます。例えば「週3日未満のテレワーク実施なら従業員の負担。週3日以上のテレワーク実施なら企業が負担する。その代わりに通勤交通費を定期代ではなく実費支給に切り替える」のように、実施頻度に合わせて支払いのルールを整備する、といった対策をとる企業も出てきています。支払う金額は企業によってさまざまですが、いずれにしても労使でしっかりと話し合って決めることが大事です。
在宅勤務時の労働環境整備
テレワークの利用頻度が高くなると、自宅の執務環境整備の課題も出てきます。椅子や机を購入したり、インターネットの回線を契約したり、など、快適に仕事ができるための環境整備の費用は、企業と従業員のどちらが負担するべきなのでしょうか?一般的には、これらは従業員が自らの負担で整備を進めることが多いですが、一時金のような形で企業が従業員の自宅の環境整備に使う費用を支給するような取り組みも増えてきています。
テレワークできない業務の従業員の不公平感
工場や店舗などで働く従業員を抱える企業の中には、業務内容によってテレワークが可能な従業員とそうでない従業員の間で、不公平感が生まれることを懸念するところもあります。
実際にテレワーク制度を導入済の製造業の中には、「工場で働く従業員は、そもそも勤務体系や給与なども本社と異なるので、テレワークの可否に違いがあることも問題ない」と割り切って考える企業も少なくありません。
もしテレワークを「福利厚生の施策」として考えるなら、従業員に平等に利用機会を与えるべきかもしれません。しかし、テレワークを「効率よく働くための施策」と考えるなら、工場勤務者に対する施策としては、テレワーク制度よりも、工場内の設備の充実のほうが適切ではないでしょうか。
各企業で「何のためにテレワークを行うのか」という目的をしっかり定め、それを社内に丁寧に周知し、従業員の理解を促していくことが大切です。
助成金・補助金
- ・公的支援を活用しよう
- ・厚生労働省の施策
- ・総務省の施策
- ・経済産業省の施策
公的支援を活用しよう
テレワークの環境整備に使える助成金や支援策は国や地方自治体から様々に提供されています。助成金の対象は何か、申請に必要な条件は何かなどを確認しながら、適切に活用しましょう。
以下に国の行っているテレワーク関連の助成金や支援策をご紹介します。(情報は2020年度のもの)
厚生労働省の施策
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①働き方改革推進支援助成金(テレワークコース)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/jikan/telework_10026.html
在宅勤務又はサテライトオフィス勤務に取り組む中小企業に対して、その実施に要した費用の一部を助成します。助成対象は「テレワーク用通信機器の導入・運用」「就業規則・労使協定等の作成・変更」「労働者に対する研修」「外部専門家によるコンサルティング」にかかる費用です。
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②テレワーク相談センター
無料でテレワークに関する相談を、専門相談員が受け付けています。
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③労務管理の訪問コンサルティング
https://www.tw-sodan.jp/roumu/
社会保険労務士など、テレワークに関する人事・労務管理の専門家が5回まで訪問等を行って相談対応をします。
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④「テレワーク総合ポータルサイト」
厚労省が作成したテレワークの導入事例集やモデル就業規則例などの情報がダウンロードできます。
総務省の施策
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①テレワークマネージャー相談事業
https://teleworkmanager.go.jp/
テレワークの知見、ノウハウ等を有する専門家(テレワークマネージャー)が、無料でテレワーク導入に関するアドバイス等を行います。
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②テレワークのセキュリティ あんしん無料相談窓口
https://www.lac.co.jp/telework/security.html
テレワークを導入済、または導入を検討している企業・団体・自治体等に対してセキュリティに関する相談やアドバイスをセキュリティの専門家が行います。
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③テレワーク・サポートネットワーク
https://teleworksupport.go.jp/
各地の商工会議所等がテレワーク・サポートネットワークとして連携し、無料の相談会の実施や、気軽に相談できる「地域窓口」を開設することで、地元企業のテレワーク導入を支援しています。
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④テレワーク総合情報サイト「Telework Net」
テレワーク活用事例や総務省が作成したテレワークセキュリティガイドラインなどの情報がダウンロードできます。
経済産業省の施策
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①IT導入補助金
https://www.it-hojo.jp/tokubetsuwaku/
新型コロナ感染症への対策として非対面型ビジネスモデルへの転換、テレワーク環境の整備等に取り組む中小企業のIT導入等を支援するコースが新たに創設されました。
国のほかにも、各地方自治体独自の助成金や専門家派遣、テレワーク推進センターの設置などの支援策があります。ご関心のある方は、ぜひお近くの自治体に問い合わせをしてみてください。